クイーンズを拠点とするアーティスト
クイーンズはニューヨーク市の中にあり、ブルックリンの東に位置する。クイーンズ・ブリッジ団地と呼ばれる大規模な公営団地が並ぶベッドタウンだ。
Kool G Rap(クール・ジー・ラップ)やNas(ナス)、Mobb Deep(モブ・ディープ)など、有名アーティストは数多く存在する。また、クイーンズ・ブリッジ団地の住人同士のコミュニティ”QB Finest(キュービー・ファイネスト)”を立ち上げるなど、地元への愛着が強いようだ。
決して”クイーンズ=哀愁系”とは言い切れないが、わりとそういった曲が多いのも事実。ということで、今回は1990年代のクイーンズ産作品をいくつか紹介しよう。
Shook Ones Pt. II / Mobb Deep
Mobb Deep(モブ・ディープ)ならまずこれ。
●Shook Ones Pt. II / Mobb Deep
[youtube]http://www.youtube.com/watch?v=cP0wsET8__Y[/youtube]
たぶん、彼らの中ではいちばん有名な曲のはず。Eminem(エミネム)主演映画「8 Mile」劇中のラップバトルでこの曲のインストが使用されていた。かなりダークなトラックがクイーンズらしい。
哀愁度:★★★★★
Infamous (1995/04/25) Mobb Deep |
Bloody Money / Capone-N-Noreaga
Capone-N-Noreaga(カポーン・アンド・ノリエガ)は、1997年にファースト・アルバムをリリース。迷彩服のジャケットが印象的な好盤だ。収録曲の「Bloody Money」は、なんとも切ないクイーンズ系のワン・ループ。
●Bloody Money / Capone-N-Noreaga
[youtube]http://www.youtube.com/watch?v=QFEu5tKGJvI[/youtube]
Capone(カポーン)の服役などもあり、グループとしては大成できなかったこの2人。2000年にはセカンド・アルバムをリリースしてるが、哀愁度ではファースト・アルバムに遠く及ばない。
哀愁度:★★★★☆
War Report (2003/06/02) Capone-N-Noreaga |
The Message / Nas
今やクイーンズの大物MCといえばNas(ナス)だろう。セカンド・アルバムに収録の「The Message」は、正統派のクイーンズ哀愁系といえるだろう。
●The Message / Nas
[youtube]http://www.youtube.com/watch?v=micood9FM2w[/youtube]
宇多田ヒカルの「Never let go」は同じネタで歌っている。聴き比べてみるのもいいだろう。
哀愁度:★★★★☆
It Was Written (1996/07/04) Nas |
It’s A Shame / Kool G Rap
Nas(ナス)の登場以前、クイーンズのMCといえばKool G Rap(クール・ジー・ラップ)だった。ラップの勢い誤って、”字余り”になってしまうほど豪快なフロウが男クサイ。
●It’s A Shame / Kool G Rap
[youtube]http://www.youtube.com/watch?v=93Dlxy9AvPc[/youtube]
哀愁系というよりは、マフィア系のほうがしっくりくるかも。
哀愁度:★★★☆☆
4 5 6 (1995/09/26) Kool G Rap & DJ Polo |
Masta I.C. / Mic Geronimo
1995年あたりはMic Geronimo(マイク・ジェロニモ)がかなりヒットしていた。シングル「Shit’s Real」がかなり聴きやすいトラックだったため、かるくヒットした。個人的には、ダークな「Masta I.C.」のほうが好きだ。
●Masta I.C. / Mic Geronimo
[youtube]http://www.youtube.com/watch?v=tfHR5aONrLw[/youtube]
日本では、「Who’s That? a.k.a. Live」という曲が同オケ。名義はShakkazombie(シャカゾンビ) [Feat. Dev Large(デヴ・ラージ)]。DJ Master Key(DJマスターキー)の「Far East Coasting」というミックス・アルバムに入っている。
こちらも哀愁系というよりは、ただダークな音色が耳に残る。この不穏な空気こそ、1995年を象徴するサウンドなのだ。
哀愁度:★★★☆☆
Natural (1995/11/21) Mic Geronimo |