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1990年代に残したMobb Deep(モブ・ディープ)の功績

Mobb Deep(モブ・ディープ)の魅力をざっくり理解する

シングル「Shook Ones Part II」でおなじみ、ニューヨーク、クイーンズ出身のMobb Deep(モブ・ディープ)は、1990年代ヒップホップの礎を築きあげたグループのひとつ。メンバーはHavoc(ハヴォック)とProdigy(プロディジー)の2MCで、2人とも曲をつくることができる。

デビュー作はDJ Premier(DJプレミア)が手掛けた「Peer Pressure」。この曲が収録されているデビュー・アルバムはあまり評価されていない。ぶっちゃけた話、手っ取り早くMobb Deep(モブ・ディープ)の魅力を知りたければ、2枚目と3枚目だけを押さえておけば問題ない。あとは蛇足である。Mobb Deep(モブ・ディープ)の作品が気に入ったら、さらに他の作品も聴いいてみるといいだろう。

今回はMobb Deep(モブ・ディープ)が1990年代に残した4枚のアルバムごとに、おもな収録シングル(12曲)を時系列に追っていく。これらを聴けば、Mobb Deep(モブ・ディープ)の世界観を理解できるうえ、1990年代の東海岸ヒップホップの音楽性がある程度垣間見えるようになっているはずだ。

【モブ・ディープ度:★★☆☆☆】Juvenile Hell (1993年)

Mobb Deep(モブ・ディープ)のデビュー・アルバム。

このアルバムはシングル「Peer Pressure」に尽きる。DJ Premier(DJプレミア)のオリジナル・バージョンと、The Large Professor(ラージ・プロフェッサー)によるリミックス・バージョンが存在する。

また、Mobb Deep(モブ・ディープ)自身がプロデュースしたセカンド・シングル「Hit It From The Back」も収録されている。

1990年代初頭の空気を収めているという点では及第点。Mobb Deep(モブ・ディープ)の魅力が爆発する前夜のアルバムと言えるだろう。

●Peer Pressure / Mobb Deep

1992年のデビュー・シングル。プロデュースはDJ Premier(DJプレミア)。

●Peer Pressure (Remix) / Mobb Deep

極太ベースライン。The Large Professor(ラージ・プロフェッサー)によるリミックス・バージョン。

収録アルバム『Juvenile Hell

Juvenile Hell

セカンド以降のスタイルとかけ離れているため、別のグループとして認識すれば悪くない。ただし、この作品でMobb Deep(モブ・ディープ)特有のダークな世界を体験するのは難しい。

【モブ・ディープ度:★★★★☆】The Infamous (1995年)

Mobb Deep(モブ・ディープ)のセカンド・アルバムにして、最高評価の5本マイクを獲得した名盤。

前作とはまるでテイストが異なり、リアルでアンダーグラウンドでハードコアなスタイルが確立している。

シングル「Shook Ones Part II」がもっとも有名なMobb Deep(モブ・ディープ)の曲だろう。

●Shook Ones Part II / Mobb Deep

目玉シングル。Eminem(エミネム)主演映画「8 Mile」の劇中でも、MCバトルのシーンで使われていた。

●Survival Of the Fittest / Mobb Deep

アルバムのセカンド・シングル。このドープなトラックと淡々としたRAPがまさにMobb Deep(モブ・ディープ)の魅力となっている。

●Temperature’s Rising / Mobb Deep

サード・シングル。アルバムに収録されている同曲とはバージョン。こちらの方がドープ。

収録アルバム『The Infamous』(邦題)

The Infamous

邦題「クイーンズの悪党」。Mobb Deep(モブ・ディープ)の魅力が存分に詰まった出世作。

【モブ・ディープ度:★★★★★】Hell On Earth (1996年)

Mobb Deep(モブ・ディープ)のサード・アルバム。

完成度が高かった前作「The Infamous」を上回るドープな作品。シリアスな空気に支配されたこのアルバムが。個人的にはMobb Deep(モブ・ディープ)の最高傑作。

この時期にリリースされたシングルで、オリジナル・アルバム未収録の「Back At You」という曲がある。これは映画「Sunset Park」のサントラに収録されている。Mobb Deep(モブ・ディープ)にしては、わりとライトな曲。アルバム未収録なのも納得できる。

●Still Shinin’ / Mobb Deep

アルバム収録曲ではいちばん最初のシングル作品。前作のアルバムからの流れを汲んでいる。

●Drop A Gem On ‘Em / Mobb Deep

1996年といえば、西と東の抗争がいちばんひどかった時期。西の2Pac(トゥパック)は、Mobb Deep(モブ・ディープ)にも口撃(こうげき)してきた。それに返す形でつくられた曲。

その後、2Pac(トゥパック)が射殺され、お蔵入りになるはずが本アルバムに収録された。

●Front Lines (Hell On Earth) / Mobb Deep

正直、Mobb Deep(モブ・ディープ)でいちばん好きな曲を挙げろと言われればコレ。ワンループでも飽きのこない作品。

●G.O.D. Pt. III / Mobb Deep

ギャング映画の最高峰「Scarface」のサントラ収録「Tony’s Theme」を大胆にサンプリング。この映画を見たことがあれば、倍は楽しめる作品。

収録アルバム『Hell On Earth

前作のスタイルをよりストイックに研ぎ澄ませたような作品。個人的にはMobb Deep(モブ・ディープ)の最高傑作。

【モブ・ディープ度:★★★☆☆】Murda Muzik (1999年)

1990年代にリリースされた最後のアルバム。前作の完成度が高すぎたこともあり、やや地味な印象を抱く。

Lil’ Kim(リル・キム)参加のシングル「Quiet Storm (Remix)」がいい味を出している。

ちなみに、このアルバムがリリースされる以前の1997年、映画「Hoodlum」のサントラに映画のタイトル曲「Hoodlum」を提供している。 Big Noyd(ビッグノイド)とRakim(ラキム)をフィーチャーしたドープな作品に仕上がっている。

●Hoodlum [Feat. Big Noyd & Rakim] / Mobb Deep

映画「Hoodlum」のサントラ収録のタイトル曲。

●Quiet Storm (Remix) [Feat. Lil’ Kim] / Mobb Deep

個人的にはこのアルバムのベスト・トラック。オリジナル・バージョンにLil’ Kim(リル・キム)パートは無いが、トラックは同じ。

●It’s Mine [Feat. Nas] / Mobb Deep

同郷クイーンズのNas(ナス)を招いたアルバムのセカンド・シングル。またもや映画「Scarface」からネタを引用している。スカーフェイス好きのNas(ナス)も、ぶっといネックレスを下げてどこかノリが良い。

収録アルバム『Murda Muzik

1990年代にリリースされた作品はこの4枚目で最後。

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