2012年2月20日、伊集院光とZeebra(ジブラ)が「中二病」という言葉でモメていた。詳しい経緯は「伊集院光vsZEEBRAの中二病論争 – 文学フリマ事務局通信・別冊」に詳しい。
中二病(ちゅうにびょう)とは、中学二年生頃の思春期の少年少女にありがちな自意識過剰やコンプレックスから発する一部の言動傾向を揶揄した俗語である。名前に中二と付くが中二限定という意味ではなく大人にも使われる。伊集院光がラジオ番組『伊集院光のUP’S 深夜の馬鹿力』の中で用いたのが最初である。「中」の字を「厨」で置き換えた厨二病という表記も見られる。「病」という表現を含むが、実際に治療の必要とされる医学的な意味での「病気」または「精神疾患」とは無関係である。
「中二病」 – Wikipediaより引用
Zeebra(ジブラ)が貼られた「中二病」というレッテル。これをすこし乱暴な言い方をすると、「いい大人がガキみたいなことやっててダサい」という表現になる。ヒップホップという文化に本気で向き合ってきたであろうZeebra(ジブラ)を一言で茶化すことができる言葉。それが「中二」なのである。
頭に入ってきた概念はなかなか捨てられない
この現象は、アーティストの特徴を誇張して笑いを生むスタイルのものまね芸人(たとえばコロッケなど)にものまねされた歌手に似ている。いちどでもパロディが生まれてしまうと、どんなに本人が真面目に歌っても「笑える」要素が内包されてしまう。結果、新たな概念が脳に張り付いて、純粋に原曲を聴くことができなくなる。まるで、いちど見えたら見えなくならない「だまし絵」のように。
1990年代中期ごろ、日本ではヴィジュアル系バンドが流行していた。あの文脈を総じてカッコイイと感じるのか滑稽と思うのかは受け手の受け取り方次第である。それぞれの頭の中にある何か「変換装置」のようなものが、「カッコいい」のか「笑える」のかを決定する。その「変換装置」というものの実態は、「中二病」などといった、かんたんに人を馬鹿にできる言葉だと考えている。
対策
真剣に取り組む姿勢そのものが、言葉ひとつで簡単に笑いの対象になる。極論を言えば、誰がどんなことをやろうと、「変換装置」ひとつあれば簡単に笑いにできるのだ。もとのコンテンツ(一次情報)に変換装置のフィルターを通せば、笑えるコンテンツ(二次情報)が生成される。このルールを覆すのはむずかしい。
したがって、コンテンツの楽しみ方を自分で決めることにする。「変換装置」をつかって二次情報を楽しむのも、「変換装置」をあえて用いずに一次情報のみを楽しむのも自由だ。個人的には、むしろ両方とも楽しめばいいと思っている。「これがこうなると、面白くなるのか~」とか、「パロディから入ったけど、元ネタはカッコイイじゃん」とか妄想しながらコンテンツを楽しむと、ひとつの食材でいろんな料理が食べられてお得な感じがするのでオススメだ。
●The Untouchable (Prod By DJ Premier) / Zeebra
[youtube]http://www.youtube.com/watch?v=1JbXDTOtw5c[/youtube]
収録アルバム
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Next Level Recordings Vol.1
参加アーティスト:Rhymester, Microphone Pager, Rino, Zeebra, Biz Markie, Lord Finesse, Sadat X, O.C.
他人を批判したり、馬鹿にしたりすることに時間をつかっていたら、自分自身が成長するための時間を失ってしまう。ネガティブかポジティブかは別にして、他人のプロモーションをしている暇があったら、自分の成長を優先したい。そのためには、他人の目を気にせず、自分の信じた道を勝手に進んで成長するのが賢明なやりかただろう。