「大物」というのは、非常にあいまいな人物像である。これを映像として見せる場合は、どうやって「大物感」をだせば良いのだろうか。
まずは、「富」と「名声」を得ている必要がある。わかりやすいアイテムは、レッドカーペット。
カンヌ、ベルリン、ヴェネツィアといった、三大国際映画祭のようなパーティー会場に到着する大物。多くの人間に支持されているため、登場するだけで大歓声が巻き起こる。
高級車から降車し、レッドカーペットを歩く服装は、セレブを絵に描いたよう。こういうパーティーの常連という感じが出ているほど、大物感が増すようだ。
●Who You Wit / Jay-Z
[youtube]http://www.youtube.com/watch?v=JHizCizvMQI[/youtube]
ここでつくられている大物感は、ヒップホップの文化独自のものである。おそらく、背後にPimp(ピンプ)の存在がある。
Pimp(ピンプ)とは、複数の売春婦を働かせて生活する、ヒモ家業を営んでいる人のことだ。
Iceberg Slim(アイスバーグ・スリム)の自伝、「Pimp」で語られる世界観は、後に、多くのヒップホップ・アーティストに影響を与えた。
関連書籍
ピンプ (BOOK PLUS) (2001/07) アイスバーグ スリム |
みごとに大物感をかもし出すJay-Z(ジェイ・ジー)もまた、どこかピンプを意識しているように感じる。
Jay-Z(ジェイ・ジー)の「Who You Wit」が収録されているアルバム
Sprung (1998/12/01) Stanley Clarke |