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仮説

その問題はすでに解決している

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テクノロジーは、常に進化し続けている。つまり、どんどん「便利」が増えている。いつの間にか、「とんでもなく便利な世の中になった」、と感じることがある。些細なことすぎて気づかないほど小さな「便利」。その「便利」が連綿と積み重なって蓄積された数10年で、格段に過ごしやすい世の中に変貌を遂げたのだ。

1990年代から急速に一般に普及したインターネットは、いまや生活に欠かせない存在となっている。おそらく、過去最高に便利な世の中なのは間違いないし、今後もどんどん便利になっていくだろう。

テクノロジーに囲まれた日常

急においしい豚骨ラーメンが食べたいと思えば、行ったこともないラーメン屋を検索して、目的地を目指す。車なら交通情報、電車なら乗り換え情報など。画面を見ながら目的地に向かえば、勝手に到着する。

ラーメンが美味しいかどうかも、すでに食べた人による評価(赤の他人のデータ)を参照すれば、だいたいわかる。実際に自分で食べたときの印象とは違うかもしれないが、店内画像や商品画像、店員の態度などからある程度店の概要を推測することは可能だ。

機械が故障したら、型番とトラブルの内容を検索。ヒットした質問サイトには、すでに同じようなトラブルに見舞われている人が質問していた。たいていは、専門家による的確なアンサーによって解決していることが多い。このやり取りを見れば、解決方法が即座にわかる。

オンライン・サイトで、書籍のタイトルや著者などを検索して、そのまま購入できる。本屋に行って、置いてあるかどうかも分からない書籍を探し回ることもない。本屋のスペースは限られているから、過去の本はすぐに淘汰されてしまう。この点、オンライン・ショップには物理的な本棚の制約が存在しないため、あらゆる本が陳列されている。

解決策はすでに存在している

つまり、インターネットに蓄積されている膨大な情報にアクセスすれば、いま抱えているほとんどの問題は解決するのである。しかも無料で。だから私たちは、適切な「問い」を知る必要がある。

検索の仕方さえ間違えなければ、解決策にたどり着く。答えはすでに用意されているのだ。

重要なのは、答えにたどり着くための検索力(より具体的な「問い」にまで落とし込む能力)と、多くのガセ情報の中から正解を選び出す能力。この2つの能力が備われば、予測不可能な未来のこと以外はほとんど解決する。

こんなにテクノロジーが発達した時代で、なにかに悩むことはムダである。とっとと検索して、答えを知り、それを速やかに実行すればいい。今現在のトラブルのほとんどはその程度で解決する。生きるためのノウハウは、オンライン上に蓄積されている。

解決策はすでにある。ただし、解決策に到達できないから悩んでしまう。そう考えると、「検索力」を高めることが、いかに問題解決における重要なテクニックであるのかがわかるはずだ。

現在の悩みから解放されたら、あとは未来の幸せのために目を向けて生きていけばいい。ほんとうは、実にシンプルな世の中を生きているのである。

蛇足

とは言え、足しげくレコード店に通ってレアな中古レコードを掘ったり、目的もなく、ぶらぶらとウィンドウ・ショッピングをする時間は、テクノロジーの発展とは、まったく別次元の価値である。

まだまだオンラインに上がっていない情報はたくさんある。そんな「光るダイヤの原石」をオフラインで探す旅の尊さは忘れないようにしたい。