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ネルソン・マンデラ関連の映画3本まとめ

テーマをひとつ決めて、それに関する複数の作品を鑑賞することで、ぼやけていた輪郭が鮮明になることがある。今回はネルソン・マンデラという人間像をより鮮明に理解したいと考え、ネルソン・マンデラ関連の映画を鑑賞した。

その映画とは、『マンデラの名もなき看守』『インビクタス 負けざる者たち』『マンデラ 自由への長い道』の3本。結論を先に言うと、3本とも素晴らしい作品だった。それぞれフォーカスしているものが違っているため、複数の視点からマンデラを観測することができ、総合的に彼の人間像が浮かび上がってきたように思えた。

マンデラの半生を大局的に把握できる『マンデラ 自由への長い道』

2014年公開の映画「マンデラ 自由への長い道」では、弁護士時代からANC(アフリカ民族会議)に加入し反アパルトヘイト運動によって投獄され27年の獄中生活を経て釈放、大統領になるまでの半生が描かれている。ネルソン・マンデラが人生を賭けて何をやってきたのかを大局的に把握することができる映画だ。

映画『マンデラ 自由への長い道』予告編

もしマンデラ関連の映画を未視聴なら、『マンデラ 自由への長い道』を先に観るのをオススメしておく。原作であるネルソン・マンデラ本人による自伝『自由への長い道―ネルソン・マンデラ自伝』を読むのもいいだろう。

この映画については、「映画『マンデラ 自由への長い道』に見たリーダーシップのありかた」というエントリーを書いたので参照してほしい。

マンデラの獄中生活にフォーカスした『マンデラの名もなき看守』

2007年に公開した映画『マンデラの名もなき看守 (Goodbye Bafana)』では、マンデラの獄中生活にフォーカスしている。アパルトヘイト(人種隔離政策)によって人種間の差別が一般化していた時代。白人の看守がマンデラと出会い、しだいに黒人への偏見を見直していく。

映画『マンデラの名もなき看守』予告編

劇中に出てくる子供の素直な意見に対して、明確な解を示すことができない親から世の中の矛盾を見出すことができる。「ルールだから仕方がない」という言葉は子供を説得する理由にはならない。

世の中とか、ルールというものに責任を押し付けるようなら、それはルールのほうが間違ってると疑うべきだ。世の中のルールなんて結局、「特定の誰か」のためのルールに過ぎないのである。

南アフリカ大統領時のマンデラを描く『インビクタス 負けざる者たち』

2009年に公開した映画『インビクタス 負けざる者たち (Invictus)』は、南アフリカの大統領となったネルソン・マンデラが、ラグビーをコンサルすることによって国民を導く映画。

低迷していた南アフリカのラグビーチーム「スプリングボクス(通称:ボカ)」が、1995年に南アフリカ主催のラグビー・ワールドカップ優勝を目指す。

映画『インビクタス 負けざる者たち』予告編

監督はクリント・イーストウッド。マンデラ役のモーガン・フリーマンとスプリングボクスのキャプテン役のマット・デイモンが好演。ラグビーの知識はまったくと言っていいほど無いが、それでも楽しめた。単なるラグビー映画ではなかったからだろう。

この映画には、人を「その気」にさせるためのメソッドがふんだんに盛り込まれている。いわばコーチングの指南映画としても十分機能する内容だった。映画を鑑賞している自分自身のモチベーションも上がる素晴らしい作品。3本の中ではいちばんオススメだ。

まとめ

映画というのは素晴らしい。アパルトヘイトや南アフリカの歴史、そしてネルソン・マンデラという人間を映像化してわかりやすく視聴者に認知させてくれる。

生徒に歴史の教科書を読ませるよりも、まずこれらの映画を観せたほうが、はるかに理解できそうだ。

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