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仮説

多くの”駄作”を理解しているから”名作”だとわかる

違和感をみつける

どんなことでも3年間。ひたすら全力でやってれば誰でもうまくできるようになる。10年間続けば、その道でメシが食えると言ってもいいらしい。ただし、1日5分なのか、12時間なのかによって効果はまるっきり違う。つまり、どのくらいその仕事に従事していたのかによって効果が変わってくるのだ。

基本的な指標として、10000時間その仕事に従事すれば、たいていその道でメシを食っていけると言われている。1日8時間働いて25日労働。つまり月に200時間。年間なら2400時間だ。つまりこの場合、4年と2ヶ月で10000時間に到達する計算となる。

おなじ仕事をずっと続けるのは、つまらないことかもしれない。でも、このマンネリが重要だ。日々”同じこと”をやっていると、たまに”同じじゃないこと”をするときがある。このときの特異性は、ふだん同じことをしている体験がなければ感じることができない。

名盤のすごさを理解するために

数多くのHip Hop作品に触れていると、ぜんぜん心に響かないものが少なからずある。というか、ほとんどが名作とは呼べない”平凡な”作品ばかりである。名盤というのは、数多くの作品の中にごくわずかしか存在しない。だからこそ名盤と呼んでもらえるのだ。逆に言えば、名盤のすごさを理解するためには、数多くの作品に触なければならないということだ。

仕事や時間は「合理化」することで、コスト・パフォーマンスが上がる。この場合、上位数パーセントの名盤だけを理解していればいいことになる。まったく知識を持たない人には、”道しるべ”として機能するだろう。でも、理解を深めるためにはもっと多くのサンプルが必要だ。つまり、クソ曲もしっかりと耳に入れなければならない。

ぜんぜん良くないものを実際にやってみる。すると、良いものがいかに良いのかを実感できる。良いものを選択するのはあたりまえ。でも、その前に”悪いもの”を知っておかなければ、どのくらい”良いもの”なのかが理解できないのだ。

すべて自分で評価すると理解が深まる

当サイトでは、Nasの「illmatic」というアルバムに最高得点をつけている。ところが、Hip Hop初心者にこの作品を聴かせただけでは、1990年代のUS Hip Hopがどういうものなのかを理解することはできない。なぜなら、ほかの作品も聴いていないため、聴いた本人が評価を下せないからだ。

他人の評価は参考程度でいい。いちばん重要なのは自分自身がどう感じたのか、ということ。ある世界の理解を深めるためには、そこにある作品を網羅的に聴いていく必要がある。良いか悪いかはどうでもいい。とにかく量を聴くこと。大概の作品に耳を通して全体像をつかめたところで、はじめて相対的に評価を下すことができるのだ。

全体的に世界を把握したら、他人の評価も気になるところ。自分にはない視点でものごとを考えているのだから、評価は異なって当然。それでも共感できるのであれば、それは幸せなことなのだろう。

参考作品

それでも基準となる作品は必要。当サイトはこの作品をオススメする。経験を積むたびに再確認してほしい。きっと、新たな発見があるはずだ。

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