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2パックの自伝映画『All Eyez On Me』を鑑賞

All Eyez On Me
All Eyez On Me

2Pac(トゥパック)の自伝映画『All Eyez On Me』を鑑賞した。

●予告編

2Pac(トゥパック)は、1996年に25歳で亡くなったアメリカのカリスマ・ラッパー。このラッパーの魅力はズバリ、ラップに込められた熱量だ。彼は自分の感情をダイレクトにラップへと変換できる方法論を持っている。過去に役者を目指していた頃の経験が血肉となり、このような卓越した表現力を備えたのかもしれない。

彼は西海岸ヒップホップ(通称:ウェッサイ)を代表するラッパーとして知られている。西海岸といえば、Dr.Dre(ドクター・ドレー)も在籍していたN.W.A.というグループが社会現象を巻き起こしていた。1988年にリリースされたアルバム『Straight Outta Compton』は内容が過激で、マスメディアはN.W.Aのせいで治安が悪化したと伝えた。

2Pac(トゥパック)もまた、過激なリリック(歌詞)をラップし続けて世の中から危険視された。たしかに彼ぐらいの存在感があれば、ポストN.W.A.のアイコンとして槍玉に上げられるのも無理はない。熱烈な支持者は多かったが、敵も多かったのだろう。彼はそれを承知で活動を続けた。

社会的に見て悪かどうか。そんなことはどうでもいい。自分が感じたこと、それは違うだろ、ということははっきりと伝える。彼は堂々と主観的にメッセージを伝え続けてきた。だからこそカリスマ的な人気を得た。

ただし、いちど作られた「カリスマ・ラッパー」という偶像は、そうやすやすと払拭できない。彼にとっては、途中下車できない暴走列車に乗っているような感覚だったのかもしれない。いつの間にか詰んでた。というのも切ない話だ。

雑感

2Pac(トゥパック)の死後も、エネルギーに満ち溢れた彼の姿に胸を打たれ、追随するMCが後を絶たない。それが彼がカリスマ性の高さを証明している。DMXやJa-Rule(ジャ・ルール)なんかも2Pac(トゥパック)の影響を受けているように見える。

デス・ロウ時代の2Pac(トゥパック)は、シュグナイトとつるんで調子に乗りまくってる。少なくとも当時はそのように見えた。それが演技なのか素なのか。私には判断はできない。彼の素の人間性がどうであれ、私のように2Pac(トゥパック)としての人格の方を信じていたヘッズたちは多いだろう。東海岸のパフィ率いるバッド・ボーイ勢との抗争や、身の回りに起こる数々のスキャンダル。物騒な人間は、別の物騒な人間に始末される。これが現実の物語だった。

後に登場したEminem(エミネム)は、彼から学び(とったのかは知らないが)、Slim Shady(スリム・シェイディ)という架空の別人格をつくった。まるでスリム・シェイディという腹話術人形にラップさせるように、本人の人格から切り離す。こうすることで、本人が叩かれないようにする。実にうまいやり方だと思った。

サグライフを続ける先にはカタストロフィ(悲劇的な結末)が待っている。どうしてもサグな生き方をしたい人は、それを頭に入れておこう。

個人的に好きな曲「Nothing to Lose」

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