1990年代HipHopを代表するプロデューサー8人
目次
まずは「プロデューサー」で聴いてみる
「過去のHipHop作品が素晴らしいという話は聞いたことがあるけど、たくさんありすぎて、どれから手をつけたら良いのかわからない」という人は多い。そこで、1990年代において特に高い評価を得ていたプロデューサーを8名紹介しよう。
もちろんこの8人以外にも優れたプロデューサーはたくさんいるが、この8人おさえておけば、1990年代HipHopの大まかな本質を理解できる。遅かれ早かれ、1990年代を掘っていれば必ず名前が出てくる名プロデューサーたちである。
それぞれの音の特徴を理解することで、プロデューサー単位で作品をたのしむことができるのである。
どの作品から聴けばよいのか?
上記の8人がプロデュースした作品。そのすべてを聴くには時間がかかる。しかも、どれから手を出して良いのもかわからない。では、どうやってプロデューサー単位で聴けばよいのか。
まずは、任意のプロデューサーがメインで仕事をしたアルバムを聴いてみる。たとえば、エリック・サーモンであれば、レッドマンやキース・マーリーの作品から聴いてみるのだ。
プロデューサーが収録曲の大半を手がけている場合、それが別のアーティストの作品でも、プロデューサーの色に染まる。
レッドマンとキース・マーリーを聴き比べれば、どちらもエリック・サーモンの楽曲だとわかるだろう。アーティストが変わっても、楽曲に共通性を見出すことができるはずだ。
アルバムをトータルで手がけた作品は意外と多くない。まずは個人名義の作品や、プロデューサー自身が所属している作品から聴いてみるのがいいだろう。
1990年代のトップ・プロデューサー8人
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DJ Premier(DJプレミア)
ギャング・スターのDJ。サンプリング・ネタを切り刻んで再構築する独自の手法を得意としている。
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Buckwild(バックワイルド)
D.I.T.C.のトラック・メイカー。1990年代初頭のNYヒップホップ・サウンドをアンダーグラウンドから支えた第一人者。
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RZA(レザ)
ウータン・クランの総帥。初期ウータン関連の作品はほぼすべて彼によるもの。
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Da Beatminerz(ダ・ビートマイナーズ)
ブラック・ムーンをはじめとするB.C.C.関連の作品を中心に手掛けるプロデューサー・チーム。
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Dr. Dre(ドクター・ドレ)
1992年ごろからG-Funkサウンドが全米で流行。1990年代後期にはエミネムを発掘。白人MCが大成しづらい業界でドレが後見人を務め大ブレイク。
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Large Professor(ラージ・プロフェッサー)
メイン・ソースのMC、プロデューサー。サンプリング手法を使用した色彩鮮やか且つ、骨太のビートが特徴。
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Erick Sermon(エリック・サーモン)
元EPMDのメンバー。Zapp(ザップ)やJames Brown(ジェームス・ブラウン)などのファンクネタを加工するのが得意なプロデューサー。
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Pete Rock(ピート・ロック)
ピート・ロック&CLスムーズのMC、プロデューサー。外部への楽曲提供はリミックス作品ばかりでアルバム未収録のものが多いため、収録されている中古シングルが高騰した。
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